明和と伊勢の有志が協力 自生波瀬ユリ 保存会高齢化しお手上げ状態で

2020年6月9日(火) 20:58

LINEで送る

200609波瀬ユリの移植

周辺の土手で採集した波瀬ユリをモデル園に移植するメンバーら=飯高町波瀬で

 松阪市の市の花で、飯高町波瀬地区に自生するヤマユリ「波瀬ユリ」を守り増やそうと、多気郡明和町や伊勢市の有志らが、毎週のように通って種をまいたり獣害に遭わないよう植え替えたりしている。波瀬ユリを保護し、自宅の庭で200株以上を育て一昨年亡くなった山本収さん=享年(86)=の長女で看護師の敦子さん(57)=明和町佐田=の呼び掛けに応えた人たち。波瀬ユリ保存会の大西喜七郎会長(70)は「会員の高齢化で活動ができなくなりお手上げだったのでありがたい」と喜んでいる。
 
 1945(昭和20)年ごろまで波瀬地区の至る所に咲いていたが、杉の植林や獣害、乱獲によって急激に減少。83(同58)年に地区の有志が保存会を結成し、94(平成6)年には全国やまゆりサミットを誘致。旧飯高町は飯高林業センター向かいの群生地を町有化し、網で囲った300平方㍍ほどのモデル園を整備した。保存会には93年には340人の会員がいたが、大西会長によると、過疎高齢化で今は5、6人になり休止状態。波瀬ユリも姿を消し、群生地は山本さん宅だけになっていた。
 山本さんは、自宅の庭の約3㌃の斜面に自生する波瀬ユリを網で囲って増やし、多くの人の目を楽しませていた。一昨年の7月16日ちょうど満開の時に病気で突然亡くなった。「父は波瀬ユリを守ってくれとは言い残しませんでしたが、満開のユリを見て遺言と思え、守っていく重みをひしひしと感じた」と敦子さん。
 しかし高齢の母と家族では……続きは本紙で