立ち入り禁止のまま3年 東畑記念館(嬉野川北町) 農業学者・精一の顕彰施設が老朽化進む

2020年2月6日(木) 20:05

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200206東畑記念館

屋根が壊れ、崩落の危険がある=嬉野川北町の東畑記念館で

 松阪市嬉野井之上町出身の農業経済学者・東畑精一(1899〜1983)を顕彰するための嬉野川北町の東畑記念館は、1971(昭和46)年の建設から49年がたち、老朽化が進んで3年ほど前から立ち入り禁止になっている。弟の建築家・謙三さん(02〜98)が設計し、精一家が農業関係者や県民に活用されることを望んで県に寄贈したもの。管理する県農業研究所では、県財政が厳しく改修するにも解体するにも予算が無いとするが、精一の顕彰活動に活用したいという県民からの要望も寄せられている。

 

 記念館は、鉄筋コンクリート造平屋建てで床面積97・95平方㍍。県農業研究所前身の県農業技術センター資料によると、県内の農業関係者に研修資料館として広く活用されることを期待して寄贈された。明治、大正年代の伊勢平野の代表的な農家の姿を再現して後世に残すという着想と近代建築技術を駆使した設計で、71年に中部建築賞協議会の中部建築賞を受賞。当初、精一の農業関係の書籍や資料が収められていたが、生前の業績、戦後の日本経済や農政を知る上で極めて貴重な資料のため専門的な保存活用をと、96(平成8)年に約1万4千点が県立図書館に移された。
 その後の記念館には、精一や恩師の世界的経済学者シュムペーター(1883〜1950)の手書き原稿など資料や図書を展示。しかし、建物は修理されないまま……続きは本紙で